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第 6 章 結論

6.2 今後の課題

本研究ではネットニュース見出しにおける使用頻度の高い 6 種類 の記号について用法を分析したが、他の記号、及び新聞見出しにお ける記号用法については分析していない。

また、ネットニュース見出しと新聞見出しにおける記号使用の実 例についての比較研究を今後の課題とする。具体的には「①同一記 事本文、同一事件におけるネットニュースと新聞の異なる見出し表 現の比較」と「②異なる記事本文、同一事件におけるネットニュー スと新聞の異なる見出し表現の比較」の 2 種類の例から分析できる。

具体的な例を以下で示す。

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①同一記事本文、同一事件におけるネットニュースと新聞の異な る見出し表現の比較

ネットニュース見出し

日米欧6中銀:ドル供給拡大…金利0.5%下げ 欧州危機

「毎日jp」2011/12/1)

新聞見出し

「毎日新聞」2011/12/1)

ネットニュースと新聞の記事本文

日銀など日米欧の6中央銀行は30日、欧州債務危機で欧州の金 融機関などの資金調達環境が逼迫していることを受けて、ドルなど の資金を潤沢に市場供給する協調対応策を発表した。既存のドル資 金供給での適用金利を従来より0.5%引き下げるとともに、ドル 以外の円、ユーロ、ポンドなど5通貨でも資金供給を可能にする。

金融機関の資金繰り確保に万全を期すことで、信用不安の拡大防止 に強い姿勢を示した格好だ。(後略)

152

②異なる記事本文、同一事件におけるネットニュースと新聞の異 なる見出し表現の比較:ガストで赤痢菌による食中毒事件

ネットニュース見出し

赤痢発症で営業自粛=東北・北海道などガスト120店―すかいらーく

「asahi.com」2011/9/1)

ガストで食事の14人が赤痢…120店営業自粛

「YOMIURI ONLINE」2011/9/1)

すかいらーく:ガスト120店の営業自粛 宮城などで赤痢発症

(「毎日 jp」2011/9/1)

新聞見出し

「朝日新聞」2011/9/1) (「読売新聞」2011/9/1)

以上の 2 種類の実例分析から、ネットニュース見出しと新聞見出 しにおける記号の使用、見出しの特徴を見出したい。

さらに、本研究で明らかにしたネットニュース見出しの記号用法 を実際の日本語教育で応用し、実験を行い、記号用法を知ることに よって、ニュース読解での習得状況についてを今後の課題としたい。

153

参考文献 論文・書籍類(年代順)

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梶原滉太郎(1986)「新聞の見出しの移り変わり―昭和の六〇年間の 概観」『言語生活』

石井久雄(1988)「新聞報道における表現の形式性」『言語生活』

大類雅敏(1989a)「新聞・雑誌の句読法」『日本語学』明治書院

――――(1989b)「横書きの句読法」『日本語学』明治書院

寺川 みち子(1992)「新聞見出しに見る装定と述定」『日本語論究 3-現代日本語の研究-』和泉書院

日比野茂夫(1992)「新聞見出しの文章」『愛知女子短期大学研究紀 要』25 巻

菅野 謙(1993)「マスコミ言語の省略表現」『日本語学』明治書院 田原広史(1993) 「昔の新聞を読む―二十年ごとの三時代における見

出しの比較―」『日本語学』明治書院

日比野茂夫(1995)「新聞見出しの字句省略法」『愛知女子短期大学 研究紀要』28 巻

宮崎彰男(1996)「報道雑誌の見出しの文体特徴」『三重大学教育学 部研究紀要 47(人文 ・社会科学)』

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154

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――― (2006)「論説文における中点の用法と問題点」『銘傳日本語 教育 9』、銘伝大学応用日本語学科

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黒﨑佐仁子(2007)「話題提示に見られる無助詞文の条件-ニュース見 出しを中心として-」『早稲田大学日本語教育学 第 1 号』

155

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張光中(2008)「ヤフー・主要ニュース見出し文の省略表現について

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関根健一(2008)「表記の整理・統語を」『日本語学』1 月号、明治 書院

高崎みどり・立川和美(2008)『ここからはじまる 文章・談話』ひ つじ書房

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――――(2011)「メディア・テクストにおけるビジュアル要素の形 式とその機能」『台灣日本語文學報 29』台灣日本 語文學會

手引き類

『朝日新聞の用語の手引き』(2010)朝日新聞出版

『読売新聞用字用語の手引き 第三版』(2011)中央公論新社

『【改訂新版】毎日新聞 用語集』(2007)毎日新聞社

『記者ハンドブック 第 12 版 新聞用字用語集』(2010)株式会社共 同通信社

156

見出し例文出所

・ネットニュース資料(2011 年 12 月時点)

「asahi.com」(http://www.asahi.com/news/ )

「YOMIURI ONLINE」(http://www.yomiuri.co.jp/latestnews/)

「毎日jp」(http://mainichi.jp/flash/)

・新聞資料(2011 年 12 月 1 日から 2011 年 12 月 5 日朝刊)

「朝日新聞」(名古屋本社)

「読売新聞」(中部支社)

「毎日新聞」(名古屋本社)

謝 辞

大 学 4 年 生 の 時 に 、 新 聞 日 本 語 の 授 業 を 受 け る こ と に よ っ て 、ニ ュ ー ス に 対 す る 興 味 を 持 ち 、修 士 論 文 と し て 、 ニ ュ ー ス 見 出 し の 研 究 を 行 い ま し た 。

実 証 研 究 と い う 形 で ネ ッ ト ニ ュ ー ス 見 出 し の 「 記 号 」 を 研 究 す る に あ た り 、 研 究 方 法 、 論 文 構 成 に 関 し て 、 と て も 悩 ん で い ま し た が 、 た く さ ん の 方 々 か ら ご 指 導 ・ ご 意 見 を 頂 き 、卒 業 論 文 と し て 形 に す る こ と が で き ま し た 。 心 か ら 深 く 感 謝 を 申 し 上 げ ま す 。

指 導 教 員 で あ る 王 世 和 先 生 に は 、 お 忙 し い 中 、 多 く の 時 間 を 割 い て い た だ き 、 研 究 活 動 全 般 に 渡 っ て 終 始 適 切 な ご 指 導 と ご 助 言 を 賜 り ま し た 。 ま た 、 大 学 か ら 修 士 課 程 の 長 い 間 に お い て 、 研 究 に 関 す る ご 指 導 の 他 、 落 ち 込 ん だ 時 、 人 生 に 迷 っ た 時 に も 、 い つ も 暖 か く 励 ま し て く だ さ い ま し た 。 こ こ に 心 よ り 深 く 感 謝 を 申 し 上 げ ま す 。

ま た 、 名 古 屋 大 学 に 留 学 し て い た 時 の 指 導 教 員 で あ る 国 際 言 語 文 化 研 究 科 日 本 語 教 育 講 座 の 稲 垣 俊 史 先 生 に は 、 S L A ゼ ミ に 参 加 さ せ て い た だ き 、 異 な る 研 究 分 野 な が ら 、 私 の 研 究 に 関 す る ご 提 言 や コ メ ン ト を 丁 寧 に ご 教 示 い た だ き ま し た 。 心 か ら 感 謝 の 意 を 表 し ま す 。

宮 崎 大 学 で の 中 間 発 表 お よ び 論 文 審 査 の 際 に 、 貴 重 な ご 意 見 や ご 指 摘 を 頂 き ま し た 頼 錦 雀 先 生 、 平 瀬 清 先 生 、 陳 美 玲 先 生 、 落 合 由 治 先 生 に 心 か ら 感 謝 申 し 上 げ ま す 。

ま た 、 日 常 の 議 論 を 通 じ て 多 く の 示 唆 や 発 想 を 頂 い た ク ラ ス メ ー ト の 中 村 美 和 さ ん に 感 謝 申 し 上 げ ま す 。

そ し て 、 同 じ 目 標 を 持 ち 、 共 に 励 ま し 合 っ た ク ラ ス メ ー ト の 皆 様 と 、 い つ も 精 神 的 に 私 を 支 え て く れ て い る 友 達 に 感 謝 い た し ま す 。

最 後 に 、 常 に 一 番 身 近 に い て 、 私 を 励 ま し 、 支 え 続 け て く れ て い る 家 族 に 感 謝 の 意 を 表 し ま す 。

2012 年 11 月 林 思 維