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第 3 章 ネットニュース見出しにおける記号の使用状況

3.3 まとめ

本研究ではネットニュース見出しの記号について、以上のように 新聞社別、記事種類別という観点から調査した。調査結果を以下に まとめる。

a.ネットニュース見出し資料は、2011 年 12 月 1 日から 2011 年 12 月 5 日までの五日間に「asahi.com」、「YOMIURI ONLINE」、「毎日jp」

で掲載された見出し、全 1493 件である。

b.本研究における記事種類は【①社会】、【②政治】、【③ビジネス】、

【④国際】、【⑤文化・エンタメ】、【⑥スポーツ】、【⑦サイエンス】、

【⑧おくやみ】、【⑨話題】、【⑩教育】、【⑪気象・地震】の 11 種類に 分けられている。しかし、【⑨話題】、【⑩教育】、【⑪気象・地震】は

「毎日jp」だけに見られた記事種類である。

c.ネットニュース見出しにおける記号の種類は、読点、空白、コ ロン、三点リーダー、カギ括弧、中点、イコール、パーセント記号、

波線、疑問符、ダッシュ、感嘆符、矢印、特殊記号、括弧の 15 種類 である。また、出現件数が 100 件以上の記号は 6 種類あり、使用率 の高い順に、読点、空白、コロン、三点リーダー、カギ括弧、中点 となっている。

d.新聞社別にネットニュース見出しにおける記号の使用を見ると、

「asahi.com」で一番使用率が高い記号は空白、「YOMIURI ONLINE」

は読点、「毎日jp」はコロンである。なお、「毎日jp」は全ての

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た、「特殊性が弱い記号」については、「YOMIURI ONLINE」では空白 とイコールの使用が見られず、「毎日jp」ではダッシュと感嘆符の 使用が見られなかった。

f.記事種類別に見たネットニュース見出しの記号では、表 3-11 より、【③ビジネス】での記号の使用は、他の記事種類より多様であ ることがわかった。

記事種類別に見たネットニュース見出しの記号は、資料件数や新 聞社、記事種類の分類に関わっている。

記事種類別にネットニュース見出しの記号を見た時、新聞社によ って、記事種類の分類が異なるために、記事種類別による記号使用 状況に新聞社が大きく影響していることが分かった。特に、【⑨話題】、

【⑩教育】、【⑪気象・地震】に限っては、「毎日jp」だけに現れて いる記事種類であるため、いくつかの記号の使用状況に偏りが見ら れる結果となった。例えば、矢印は、本研究における出現数が 1 件 のみであり、さらに使用されている見出しが「毎日jp」のみの記 事種類の【⑪気象・地震】であるために、矢印の使用状況が新聞社 による偏りであるのか、それとも記事種類によるのか、判断するこ とが困難である。

しかしながら、【⑨話題】、【⑩教育】、【⑪気象・地震】を除く 8 種の記事種類については、3 社共通のものであり、記号の使用状況 についての傾向を見ることができると考えられる。記事種類別に見 たネットニュース見出しで多く使われている記号を以下の表 3-14 でまとめる。

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表 3-14 記事種類別に見たネットニュース見出しで多く使われて いる記号28

記事種類別 多く使われている記号

【①社会】 読点、空白

【②政治】 読点

【③ビジネス】 読点、空白

【④国際】 読点、空白

【⑤文化・エンタメ】 空白

【⑥スポーツ】 読点

【⑦サイエンス】 読点、三点リーダー

【⑧おくやみ】 コロン、イコール

【⑨話題】 コロン、空白

【⑩教育】 コロン

【⑪気象・地震】 コロン、空白

表 3-14 から、ほとんどの記事種類で多く使われている記号は読点 と空白であることが分かった。

また、ネットニュース見出しの記事種類における使用の有無を記 号別に見た表 3-12 から、2 種類の使用分類が見出された。結果を以 下の表 3-15 でまとめる。

28 表 3-11 を元にし、使用率が 40%以上の記号を取り上げる。

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分類Ⅱの「限定的記号」とは、記号が 3~6 種、もしくは 1~2 種 の記事種類で使われていることを指す。

g.以上のネットニュース見出しにおける記号の使用状況から、使 用率が高い記号はコロン、中点、読点、空白、三点リーダー、カギ 括弧の 6 種類であり、これら 6 種類の記号は、普遍的記号という普 遍的記事種類で使われている記号と一致することが分かった。

この結果から、第四章ではこれらの 6 種類の記号に焦点を当て、

ネットニュース見出しにおける記号の使用方法と表現について、例 を挙げて論じることとする。

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